昔のタイへ。

2016年1月3日

ホアヒンで60年以上も前から、昔ながらのお菓子を作っている店
「ラーン・メー・ゲップ」
『mayがご案内する食と癒しの旅』
3日目はタイのお菓子作りを見学した。

タイ菓子の原料に使われるのは
1.ココナッツミルク(ガティ)
2.卵(鶏卵、アヒルの卵)
3.粉類
弾力のある食感がよく好まれている。
上新粉(ペーンカオチャオ)
タピオカスターチ(ペーンマン)
くず粉(ペーンターオヤーイモン)
もち粉(ペーンカオニィオウ)
とうもろこし粉(ペーンカオポート)
豆粉(ペーントゥア)

これらの材料を基盤として様々なお菓子が作られる。
また、小麦粉を使ったお菓子は多いが、すべては外国から伝来されたお菓子と言われている。

ラーンメーゲップではタイの昔ながらのお菓子を、すべて手作業で
ガスやオーブンを使わずに薪を焚いて作っている

そして驚くことに創業者(ゲップおばあさん)は今も現役で、現在80歳になるという。
お菓子作りを始めて60年。昔から変わらない味はタイ人に愛され続け、いつもお客さんでいっぱい!
見学に訪れた時間に作られていたお菓子は3種類。

カノム・メッ・カヌン(ジャックフルーツ種のお菓子)
ジャックフルーツの種に似ていることから名前が付けられた。
この店では、タロイモと黄豆の2種類。
蒸してから濾し、ココナッツミルクと砂糖と練っていく。
こんな大きなお鍋で練る時間は驚きの3時間以上!
焦げ付き易いので片時も休んではいられず、ひたすら練っていく。
クーラーも無いなか、火を前にして3時間以上も練り続けるのは大変な作業である。


手につかなくなるまでひたすら練り、ジャックフルーツの種状の楕円形に丸めていく。


ジャスミンの花を水に一晩浸し、ジャスミンの優しい香りのついたシロップにアヒルの卵黄にくぐらせた種を浸して完成。
最近はタイでも甘さを控えたお菓子が多いが、さすが老舗。
タイ人仕様でとても甘かった

カノム・チャン(タイスタイルのもちもちういろう)
上新粉、タピオカ粉、くず粉とココナッツミルクを合わせ、バイトゥーイ(パンダンリーフ)や、ジャスミン水で香りをつけた生地を容器に少し流し込み蒸す。
固まったらさらに生地を流して蒸し、同様の作業を繰り返し、層にする。チャンとは、層の意味。
これがとても難しい・・。
均一な層にするには常に平行を保たないとならないし、蒸し時間が長いとココナッツの油が浮いてきてしまう。
また、蒸し時間が短いと固まらず、次の層と混ざり仕上がりも悪く火が通らない。
タイの学校で習った時には、美しく仕上げるのに苦労をしたお菓子。


蒸し上がったお菓子を1段ずつ剥がしてその1段を長方形に切り端からくるくると丸め、バラの形にしても売られている。
もっちもちでプルンプルン♪

カノム・バービン
バービン=気狂い、バカ
バ、バカのお菓子・・・
もち粉とココナッツを混ぜて焼いたもちもちのケーキ。


バービンの名前の由来には2説あるらしく、
1.バービンのバーは、昔はパー(おばさん)すなわち、ビンおばさんのお菓子という意味だったのが、訛ってバーになったことで
意味も「バカのお菓子」になってしまったと言う。そんな・・・。

2.ポルトガルから伝わったフォイトーンと呼ばれるタイのお菓子がある。
フォイトーンにそっくりな日本の鶏卵素麺も同じくポルトガルから伝わったとして有名だが、同じくこのバービンもポルトガルから伝わったと言われている。
バービンの原形となったポルトガルのお菓子Queijadas de Coimbraはチーズを使っているらしいが、タイではチーズをココナッツに変え、語末のbraがバービンになったとか。

できれば2の説を信じたい・・・。

職人さん方は、お菓子の見学に対して快く迎えてくれ、
「日本人が見学に来るのは初めてだよ!好きなだけ食べて行きなさい」と、冷却中のケーキや、メッカヌンをたくさん試食させてくれた。

また、店の名前になっているゲップおばあちゃんは、工場の裏の椅子に一人座り、熟したココナッツの胚子をたわしでごしごしと洗いながら、「こういう形のがえぐくなくて美味しいんだよ」
と何個も私のポケットに入れてくれる。
タイでは、ココナッツの胚子をそのまま食べたり、シロップで煮て食べられている。
あまり味はなく、かさかさとした不思議な食感。
昔のホアヒンの町の話や、60年間もお菓子を売り続けていることを自慢げに話すとても可愛いおばあちゃんだった

タイムスリップしたように60年間変わらない、昔のタイを垣間見れる素敵な空間。
お願いすればすぐに見学させてくれる。
タイ人の温かさに触れられるとっても素敵な店に是非訪れてみて♪


みんなでタイのお菓子を試食中。

ホアヒンのナイトマーケットからチャアムよりへ進んだところ。
ラーン・メーゲップ
032-532740