タイ料理の旨みのもと。

2016年2月26日

タイ料理には魚介の発酵食品を多用する。
タイでは地方によって風味が異なる調味料が何種類も存在する。
主な発酵調味料を紹介すると・・

まずはナムプラー。
タイ全土で使われており、いわしなどの海水魚を塩と一年ほど漬けた上澄み液。のどかなラヨーンの漁師町にナムプラー工場が多くあり、辺り一帯ナムプラー臭が漂っている。

北部のナムプー。
太った川蟹をハーブと煮出して濾して油だけをとったもの。
煮出している際の匂いは強烈らしい。
少々泥の匂いがするが、蟹の風味が強くディップにして食べるとおいしい。

東北部、北部のプラーラー。
主に、淡水魚(ガディーや雷魚など)をぬかと塩で漬けたもの。
イサーンでは、雷魚のように大きな魚であればそのまま焼いて野菜などと食べたり、ミンチにしてたっぷりのハーブと混ぜたものもおいしい。
ソムタムに入れるのが有名。

南部のブードゥー。
主に海水魚と塩を発酵させ、上澄み液を更に一年発酵させたもの。
甘口と辛口の2種類があり、辛口は主に生野菜と食べる。甘口は、カーオヤム(サラダごはん)に欠かせない調味料。

南部のタイプラー。
海水魚の内臓と塩を発酵させたもの。
南地方の激辛カレーとして有名なゲーンタイプラーに欠かせない調味料。

ガピ・ナムクーイ
ガピは、子海老と塩を発酵させたもの。クーイは、ガピを作る段階の上澄み液。ガピを南ではクーイと言うこともあるらしい。
タイ全土で使われ、ご飯と炒めたり、カレーのルー、ディップ・・使用頻度は高い。

日本ではあまり知られていない調味料も多いが、タイではそれぞれ地方の郷土料理に多用されている。

魚介は発酵すると独特の旨みが増すので風味が奥深くなり、
最初は臭いと思ってもそのうち癖になってしまうから不思議。

そういえば、日本のくさやも慣れると癖になると言われているけれど
昔、大島のお土産で頂いたくさやは、焼いている時点で断念したことを思い出した。
でも今ならたぶん、いや、絶対平気だろう

魚介の癖のある旨みとタイ料理は相性がとてもよいことから、
日本の発酵食品で作っても相性は抜群!

私のお気に入りは、塩辛とハーブのヤム
ハーブと唐辛子をざくざく刻んでレモンをきゅっと。
塩辛と混ぜるだけなのになんでこんなに合うのだろう♪
かなり日本酒がすすむヤムです

また、最近のお気に入りは塩辛のソムタム
プラーラーや、川蟹に負けないほどおいしい♪
ナムプラーを控えめにして塩辛を混ぜるだけ。
これだけで旨みがぐんと増す。

タイ料理の味の奥深さはナムプラーをはじめ、魚介の発酵食品と密接に関係している。
タイ料理が大好きな人も実はこの発酵の風味が好きなのかもしれない。

発酵食品の中でも特にプラーラーが好きな私は、バンコク人からいつも田舎者~!と言われ続けているが、ますます好きになっていくみたい